記事一覧

レッスン心得 ジャズフルートのはじめ方 Ⅰ

2011.02.02

ファイル 121-1.jpg

■通用しない常識

フルートはジャズのメインの楽器ではありません。そのためか、ジャズ習得の常識が、なかなかフルートの人には通じない、あるいはジャズ習得が不器用だ、と言われることがよくあります。他のギターやサックスの人にとっては、あたりまえの練習法を、フルートの人はやらないのです。それでジャズが習得できる道理はありません。

その原因はフルートには手本がない、ないしは少ないということがあります。

ギターやサックスの人には、自分が憧れるアイドルのプレーヤーがいます。そのプレーヤーを必死にコピーし、技を盗み、同じような演奏をしようと努力し、その過程で、コードやスケールの習得法、アドリブの構成法、他のパートとの約束事、音感、等々、ジャズ演奏にとって、必要な基礎が、自然と身についていくのです。

ジャズの基礎は、戦前のトラッドジャズ(デキシーやスイングジャズ)と、戦後のモダンジャズ(バップやコンテンポラリージャズ)に、大きく分かれるのですが、まずトラッドジャズにフルートは皆無でした。

トラッドジャズがジャズの基礎であるのは、ジャズは即興がメインですが、その即興の基礎が、コールアンドレスポンスから来たものであったためです。

コールアンドレスポンスとは、サックスプレーヤーが即興的に吹いたリフ(フレーズの断片)を、すぐにトランペットプレーヤーがレスポンス(反応)として、追奏するという、黒人音楽の基本になっているものです。ところがこの時代に、フルートは登場していない。それは裏をかえせば、フルートでは、音量や音色が弱く、十分にレスポンスができなかった(したとしても、聴こえなかった)ということが最大の理由です。

戦後のモダンジャズは、こうした掛け合いではなく、ソロとして一人でアドリブを完成させるスタイルが主流になります。しかし、今度はドラムが細かい反応をするようになったため、ドラムスに音量や音色的に対抗できないフルートは、やはり当初は出番がなかったのです。

歴史的にフルートは、サックス奏者の持ち替え楽器として、味付けのようにでてきます。つまり名脇役として登場するのですが、そのために、それだけを手本にすると、今度はジャズの基礎が身につかなくなってしまうのです。名脇役は主役があってこその存在だからです。

このように、お手本が、ジャズのメインストリーム(主流の演奏)に存在しないため、フルート奏者はジャズを自発的になかなか習得しずらいのです。名脇役になるのは一番大変かもしれません。

レッスンでも、フルートの方は、なぜかエチュードをこなすのがレッスンだと思ってしまっている方がいます。しかし、他の楽器の方は、ジャズの習得では、まずそういうレッスンはやらない、と心がけてください。

■コードやスケール

ジャズはアドリブをするのが目的の音楽といってよいでしょう。そのためには、いくつかの約束事を身につけなければなりません。その第一歩が、コードやスケールなのですが、フルートに限らず、単線楽器である管楽器の人は、とくにコードの習得で難儀します。

しかし、考えても見てください。ジャズが使っている西欧音階には、12個しか音がないのです。コードもスケールも、いろいろな名称があって、とても12個とは思えないかもしれませんが、なるべく単純化して、覚えてしまったほうが得です。

結論から先に言うと、スケールもコードも実は2つの系列しか存在しません。コードネームでいうと、ドミナント(7)か、そうでないか、というだけの区別です。これはジャズが終止形が発明された以降の音楽だからです。

ドレミファソラシを7音階(ダイアトニック)といいます。その中でドが最初の音(1度)と認識されたのは、バッハ以降、モーツァルトがドミソという和音を発見してからのことです。ドミソ、ソシレ、ドミソというのは、少学校で礼をするときのピアノ伴奏ですが、これを終止形(カデンツァ)といいます。

ジャズはあくまでも、この二つの和音(コード)の違いを利用しているだけです。そして、オクターブの中には12個しか音ががない。つまり12の終止形を、フルートで覚えてしまえば、どんな曲でもアドリブすることができるようになるのです。

こうした、コード理解を還元法といいます。物事は単純化して覚えるべきです。とくにコードで伴奏(バッキング)するわけではないフルートという単旋律(シングルノート)の楽器での、アドリブは、コードは還元法で覚えるべきです。

そのためにも、さらにはスケール練習のためにも、五度圏を真っ先に覚えてしまいましょう。

■まずはメロディーフェイクから

ジャズアドリブの第一歩はメロディーをくずすことからはじまります。これをメロディーフェイクといいます。ジャズのソングブックをフェイクブックというのも、元メロディーは音符どおりではなく、フェイクしえ演奏するのがあたりまえだからです。

ジャズはコールアンドレスポンスから生まれたといいましたが、もう一つ重要なのが、元メロディーをフェイクする、という感覚なのです。

これは、ミュージカルソングなど白人が流行させたソングを、黒人ミュージシャンが華麗に演奏するときに、元メロディーを料理する必要があったことから生まれました。

そのフェイクの技法の中で、ジャズらしいシンコペーションなどのリズムや、アクセントを多用したことで、フェイクでもジャズらしさを感じさせることができたのです。

しかし、このメロディーフェイクが実は一番難しいともいえます。譜面をみてしまうと、四分音符は四分音符のまま吹きたくなってしまうものです。それを自分のリズムで、崩すというのにはコツがいるのですが、それこそがお手本を必要とするのです。

10月後半のレッスンについて

2010.09.27

ファイル 113-1.jpgファイル 113-2.jpg

来月10月21日から、11月3日までの予定で、ヨーロッパツアーにいってきます。

国内でのライブは、ヨーロッパ行きの期間が、最近まで未定だったため秋は入れ損なっていて、本数が少なくなってしまいました。

ジャズフルート教室も、その間はレッスンをお受けすることができません。11月は月初めには帰国していますので、レッスンのご予約に影響がなさそうですが、10月は20日(できれば19日)まで、可能です。

私のフルート教室は基本、月謝制でお願いしていますので、変則化できません。それは定期的になるべく頻繁にレッスンしないと、一定の上達を指導できないからです。今回は半月内のツアーですので、教室は休止せずにすみそうです。

ということで、恐れ入りますが、10月は20日までの間でご予約いただくか、11月に3回のレッスンとさせていただきます。
腕時計通販
スーパーコピー
ブランド時計コピー専門店
腕時計大幅値下げランキング
腕時計通販セール|特別値引き商品
機械式腕時計買取強化中
腕時計専門店新作豊富な品揃え
スーパーコピーブランド優良販売
スーパーコピー時計N級品新作
コピーブランド時計激安
また、予想外に遠距離の生徒さんが増えているため、月一回という方が想定外に増えています。そのため今後につきましては、月一回の場合の料金(月謝制1万円 MAX2.5時間)を新設させていただきますので、ご協力お願いいたします。

以上、よろしくお願いいたします。

Jazzing Flute Studio
ジャズフルート教室主宰
大本薫

猛暑最終日のジャズメンクラブです!

2010.09.22

ファイル 112-1.jpg

なんか猛暑今日までって、予報ほんとにあたるんでしょうか? 気宇象徴の予報は去年冬の暖冬予報、今年夏の冷夏予報、ぜんぶうらがえってるんですか?

ってこど、猛暑最終日の今日は、関内ジャズメンクラブで、ライブアンドセッションです。

とにかく夏苦手なので、夏のライブはスローダウンさせていました。また秋はヨーロッパいく予定がなかなかきまらずに、ライブいれそこねています。

貴重なライブです(来月パリに行く直前も同じジャズメンクラブありますが)。また今夜はめずらしく翌日休日だったりします。ゆっくり遊びに来てくださいね。

20時ないし20時半スタートです。

フルート私、ピアノ=本郷、ベース=勝田、ドラム=みのみや

です。セッション大歓迎です。

生徒さんのジャズフルートレッスン遍歴

2010.09.17

ファイル 110-1.jpg

ピグで、北関東?にお住まいで、ジャズフルートのことすごーーく詳しい方で、レッスンにきたいよー、といっている方とチャットしていて、みなさんジャズフルートのレッスンにありつくのに、ご苦労されてるのだと、改めて痛感。

それにしても別の生徒さんのお話ですが、私は怖がられてるみたいで、それはショックなのです。かわいいのにねーwww

ちょっと編集してチャットログを公開!

(20:33) P子: こないだレッスンの話してたら
(20:34) P子: フルートでジャズ吹きたいなと思った最初から、いざはじめるまでの七転八倒ぶりを思い出して苦笑いしちゃいましたw

(20:34) かおる♪: なんかみんなそうなるみたいね

(20:35) P子: とりあえずジャズフルートと名のつくライブに足を運びまくったですww

(20:36) かおる♪: ジャズフルートと銘打ってるのがぜんぶジャズじゃないのが相場だから・・・ww

(20:36) P子: そなんですよ^^;

(20:36) かおる♪: うそばっかだからあれww

(20:36) P子: 素人のワタシごときが言うのもなんですがソウナンデスw
(20:37) P子: アレー?アレー?って感じが多くて。。

(20:37) P子: 体験レッスンで何人かフルートの方のとこもいったんですけど結構衝撃的な方もいてww

(20:39) かおる♪:衝撃的? どんなん?w

(20:39) P子: ぁ えーとですねぇ。。
(20:40) P子: あの方はピアノが弾けないのに伴奏をしようとしてくれたんですねたぶんw
(20:40) P子: そのピアノが壮絶で。。

(20:40) かおる♪: ああ、某KNさんか?ww

(20:41) P子: なんでワカルですか?w
(20:42) P子: いつもはライブなり音源聞いてから体験もいってたんですけど
(20:42) P子: 某Kさんは音源聞いてなかったんですよ。。

(20:42) かおる♪: そこの生徒さんうちにきてるのよ、それで同じ話きいたww 私は音源きいただけだけど、ジャズといわれれば、そうなの?ってかんじだったよwww

(20:42) P子: でも名前結構出てる方だしそれなりのことはあるんだろうと

(20:43) かおる♪: うーん、彼女のフルートは、私が聴くと、なんちゃってジャズみたいに聴こえるからなー。伴奏してレッスンって、何か意味あるんだろうか?^^

(20:43) かおる♪: アメリカで、管楽器の個人レッスンといったら、管楽器同士でチェイスがあたりまえ、自分は管楽器吹かずにピアノで伴奏というのは、きいたことないw

(20:43) P子: むしろ先生の音とか聞きたいので

(20:44) かおる♪: 私はレッスンではフルートを吹いて教えたいから、ピアノで伴奏はしない。

(20:44) かおる♪: そうそう、日本の先生はなぜかピアノで伴奏したがるのよね。とくにフルートの先生に、そういうタイプが多い、ってのはよくきくねー。

(20:44) かおる♪: たぶんフルートではジャズにならないけど、ピアノでジャズおしえてるつもりになってるだけなのかな、と実は思ってたww

(20:45) P子: Nさんの体験レッスンもいったですょ。。
(20:45) P子: いあ それが。。。
(20:45) P子: ライブいって、さすがクラシックも吹いてるだけあって基本に忠実?というか
(20:46) P子: そんな気がしてライブのときに直談判したら

(20:46) かおる♪: うちのお弟子さんで、Nさん追っかけがいましたねー。Nさんは現代音楽の第一人者だから、ふかーいところをやってくるといいよ、っていったんですが、結局ジャズはなかなかレッスンにならないそうです。深すぎるのかな?

(20:53) P子: レッスン部屋に一緒にいるのがつらい方もいたし。。w

(20:56) かおる♪: どうつらいの?

(20:56) P子: なんていえばイイカナ。。
(20:57) P子: たとえが悪いんですけど
(20:57) P子: ナンパとかされそだなーみたいな。。。w
(20:57) かおる♪: ああwww もてていいわねーww

(20:59) かおる♪: わたしなんかレッスンが厳しそうとか先入観でみられちゃうみたい。
(21:01) かおる♪: 先日、千葉から初レッスンいらしたかたも、ずっとYOUTUBEとかみてて、レッスンに来るのに踏ん切りつかなかったみたいなんですが、

(21:03) かおる♪: YOUTUBEみてたら、うちの生徒さんといっしょにやってるブルースがあって、わたしが生徒さんに優しそうに接してるから、だいじょうぶかなー、とおもっていらしたんだそうです。
(21:04) P子: ブww
(21:05) かおる♪: そんなに私怖そうにみえるんだとしって、ちょっとショックww
(21:05) P子: それはナイですよwwww

お弟子さんたちのほほえましい光景

2010.09.09

ファイル 109-1.jpgファイル 109-2.jpg

突然秋っぽく涼しいですねー。

最近、うちのジャズフルート教室、やたら遠方からのお弟子さんが多いです。一番遠い方は北海道だったりしますが、関東の方も、遠くは茨城、みなさん電車を二時間とか乗り継いでいらっしゃるんですが、今日は、木更津のかたと、立川の方が、入れ替わりでした。

そのお二方が、私のレッスンの後、熱心に、お弟子さん同士でおしえあっている光景が、とってもほほえましくて、思わずパチりしてしまいました。

なお、10月後半ツアーではないですが、久々にヨーロッパへいきます。その予定がなかなかにつまらなかったので、9月~11月のライブスケジュールをいれそこなっていて、暇です(笑)。

モントルージャズフェスの委員で、ボーリバージュ

http://blog.goo.ne.jp/kero0211jp/e/853ff9aaefe6adef293eee80a821cfd6

というジュネーブで15代つづく老舗のホテルのオーナーが部類のジャズ好きで、家族ぐるみのお付き合いをさせていただいていて、そのかたが、フランス領にもっている、古城にあそびにいきます。そのお城にすみたいのだけれど、冬は寒いらしくて、冬になる前に遊びに行きます。

パリとジュネーヴもよりますので、そっち方面の方あそびましょう!

殺気立ってるようで意外と楽しんでます。

2010.07.15

行く手をあけてもらって、トランス状態にはいるのもよいが、行く手をこれでもかとふさがれて、殺気立つのも、けっこう楽しめてしまったファーラウトライブでした。

Faroutで久々にFlute Madness

2010.07.14

昨夜は横浜ファーラウトで、久々にFlute Madnessライブでした。3ヶ月ぶりぐらいでしょうか。

このライブは、とにかくリハとか選曲という宿題をしないで、その場で狂気にいたれるかどうか、ってなかんじです。

序盤、吹き始めから数分でチューニングがだめになってきました。どうも最近、パウエルでチューニングがうまくいかなくなってきています。とくに冷房のシーズン、非常にあぶない。

まあそれはおいて、いきなりはじめたYou Don't Know Love Isですが、ちゃんとついてきてくれましたねwww

美容院にいった直後なので、天使の輪っかもみえますね。

きょうはレポ前半ということで、もう一曲はオールブルースを。

(差異が)死んだ後、鳥(の反復)になれたか?

2010.06.30

前回は、テレビドラマが、明治以後の近代文学を総括しようとして、死んでしまったというお話をしました。推敲しましたので、もう一度、読んでいただけると幸いです。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1502632934&owner_id=6746584

ところで、なぜかテレビドラマと映画は対照的です。たぶん、映画が単発なのに対して、ドラマが連載という形式の違いからくるのでしょうが、日本映画は、ある地点で、現代音楽と結託して、フリーズしてしまいました。今はその後で、むしろテレビのほうがフリーズしているわけですが・・・。

たまたま、マイミクさんの日記
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1504130796&owner_id=24706476

に、オーレルニコレの武満徹AIRの動画が紹介されていました。Youtubeなんでもありますね。村松9Kを吹いてるそうです。この小品が武満の遺作となったのでしょう。遺作が必ずしも最終型ではないとはいえ、武満の捉える「日本」の音の最終型は、笛の音でなければならなかったのかもしれません。

ジャズという音楽も終わってしまっているんですが(というより差異から反復に突入してしまったんですが)、ジャズが差異だった最終型も、じつはジャズのメインストリームの楽器(ホーンやピアノ)ではなく、ジャズ楽器のアウトサイダーであるフルートだったように思えます。

それは、ジャズがトラッドからイディオム(コールされたら、どうレスポンスするかという)でがんじがらめになったとき、そこから逸脱するためには、笛の音を必要としたのです。

そのアヴァンギャルドはコルトレーンで有名ですが、そこから突出して差異化しているのが、ご存知エリック・ドルフィーのYou Don't Know What Love Isの名演です。

あの演奏では長い前奏がつきます。現代音楽のようですね。このまえのジャズバードライブでMCで紹介しましたが、あのエリック・ドルフィーのイントロは、オリビエメシアンを練習していて、ついやってしまった、という感じなのかもしれません。

私はメシアン的な差異化は個人的にあまり好きでないので、イントロつけるとしても、あれほど過激にはできないんですが・・・・(汗)。

http://www.youtube.com/watch?v=8e4JafZboy8


ヨーロッパ音楽にとっても、じつはフルートは部外者(アウトサイダー)です。フルート音楽をやる人は、フルートであらゆる表現を盛り込もうとするので、忘れてしまいがちなのですが、しかし、交響曲や管弦楽にとっても、あるいは室内楽にとっても、フルートは異質なポジションです。

しかし、そのクラシック音楽がドビュッシー以降煮詰まり始めたとき、打開させたのがフルート的な音色を、フルート以外のピアノでも表現しようとした、メシアンだったように思えます。これがいわゆる現代音楽というジャンルの起こりでしたね。

武満徹といえば、現代音楽の巨人で、民族性を超越してグローバルな音楽ですが、彼が最後に帰着したのはやはりフルートだった。そしてニコレでなければならなかった、という気がしました。

私、クラシックのフルートは好きでないのです。先程書いたように、クラシックにとってアウトサイダーのフルートのくせに、フルート音楽の人たちは、フルートですべてを表現できると過信してしまっている(フルートだけになってしまう人たち、音楽界の変人です)。

私の苦手なフルーティストの代表は、ジェイムズゴールウェイです。彼はフルーティスティックすぎて、音楽をデフォルメさせてしまう。フルートの存在を突出させようとして、音楽を歪める代表格です。フルートをひけらかすために音楽を止めてしまいかねない。あれは音楽に聞こえません。

そこをいくと、ニコレというフルーティストはフルートのなんたるか、をわかった上でやっている。彼の無伴奏バッハものは、フルート音楽の頂点でしょう。

ちなみに、クラシックという点でも、フルーティズム(フルートのウマさ、存在感)という点でも、ヒューバートローズのほうが、フルートは上手いと思います。フルートが弾き飛ばされるはずのところで、彼はしっかり存在できるし、彼の超絶的なアティキレーションを真似できるフルーティストは世界にはいないと思います。

フルートは、アンブッシャーや歯並びという口腔の向き不向きに左右されますので、よほどフルート向きな身体をしてるのかもしれません。一日12時間は練習しないと維持できないので、ヒューバートローズはツアーをOKしない、というので有名ですが、練習だけではないと思います。

そのヒューバートローズは明らかに、エリック・ドルフィーを打ち消そうとしてますよね。意識的だと思います。整理すると、エリック・ドルフィーはジャズのイディオムから自由になろうとして、アヴァンギャルドをフルートで表現した。これはメシアンなどもヒントにしないとならなかった。

ところがヒューバートローズは、フルート的に恵まれてたからか、それをしないでも、存在感を出せた。それがCTIサウンドをはじめとする、70年代以降のジャズシーン、つまり「反復性」を重視した音楽です。ヒューバートローズ的なフルートは、CTI的な反復には不可欠ですから。

その同じ時期、じつは日本では、映画と現代音楽が一緒に仕事していたんです。たとえば、任侠物でも、大映のポルノものでも、ぜんぶ武満の音楽の模倣だらけ。大映の「おんな牢」という田村正和主演の女囚エログロは、武満的オドロオドロしい現代音楽満載です。地獄絵図ものなのですが、どうやら武満的世界は地獄を喚起するみたいです。

そして、日本の映画といえば黒澤ですが、彼の遺作だったかな?の夢という映画では、ロリコンがこれでもかと映像化されるのです。

このロリコンを表現するときに、武満的な音が必要になるのです。地獄の描写とそこからのカタルシスとしてのロリコンなんだろうか?と思えるほどです。NHKが武満が亡くなる直前だったかに、武満の映像詩という番組をつくったと記憶していますが、これもメシアン的な音楽で、日本の少女を映像化していました。

つまり、日本では映画はロリコンに帰着してフリーズしてしまいます。まさに少女の静止画が日本映画なの?とおもえるぐらい。私がピグモン系とよんでるジャンルですね。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1469684413&owner_id=6746584

それとは逆に、70年代から日本のテレビドラマは成熟し始めて、ストーリーの可能性に向かったのです。このテレビドラマによって、各民放は各々のタッチを確立して、日テレらしさとか、TBSらしさ、とかいう具合になっていった気がします。

その日本の民放テレビらしさのようなものが、前回の日記の通り「彼女が死んじゃった。」で、まさに死んじゃった、ということなのかな、とおもいました。そういうパースペクティブが見えてくるんです。

ところで、現代音楽の一つの頂点武満が、笛の音によって差異を極限まで見出そうとしていましたが、同じく映像と無縁でなかった他の作曲家は、意外に反復に落ち着こうとしていました。

私の好きな映像に、日本空からの縦断というシリーズがあります。電通かなにかが趣味的に制作した作品で、空撮画像に各巻別な音楽家を起用して映像詩化させようとしている。電通の誰かがこういうのが好きだったのでしょう。九州の巻は、なんとキース・ジャレットのオリジナルソロピアノでした(あまりよくなかったんですが)。

少女や女性をオブジェにしようとした武満や黒澤とちがって、鳥になって日本に郷愁するんです。風景を見る方が少女を見せられるより、よほど萌えます。自分が女性になれるんですから。

空から縦断のサントラで、私が好きなのは、この服部克久の反復しはじめようとする音楽です。CD化されてないようで残念ですね。日本の田舎の風景を空から眺めて、独特な郷愁の渦に囚われていきます。地獄から天国に解き放たれるようでクラクラします。

笛で鳥を模倣して、音楽を差異化しようとすることと、鳥そのものになって郷愁を反復し始める音楽。なんか妙な邂逅ですね。鳥になるために差異化するのか、鳥のつもりで反復するかという。坂本龍一教授のスコラという音楽番組が強調していたように、今の音楽はすべて反復です。つまり鳥になりきらないとならないのです。

たまに共演させていただく北條直彦氏は、芸大作曲出身の現代音楽の作曲家でもありますが、数年前私がフルートを吹いていたら、30年ぶりに中川昌三がきてしまった。彼は私を見るとフルートをしまって、サックスばかりふくようになってしまったんですが、北條さんが中川氏のために現代音楽のフルートを書きたい、というので、いろいろアドバイスを求められたことがあります。とくに武満的なフルートの現代奏法の記譜法の問題など、いろいろ質問されました。

中川氏といえば、おそらく天才的な現代音楽のフルーティストでしょう。彼にしか出せない音がありますから。それで、北條さんが中川氏と、現代音楽のプロジェクトをスタートさせたようなのですが、異音となるように、差異化してほしくない、というのが個人的な見解です。うちのお弟子さんが、中川さんのお弟子さんでしたが、ルパン三世のサントラとかで、尺八のようなフルートを吹いていたっていうんですけどね。それより、反復してれば自然に鳥になるのですから。

ちなみに、フロイト的に、飛びたいという夢は、欲求不満らしいので、私やばいのかしら?

さて、木曜は母と横浜ららぽーとというところにショッピングです。商品券をもらったんですが、そこでしかつかえないらしくて、ドライブがてらいかねばなりません。母はいま代車を借りていて、そちらのほうが運転しやすいものだから、遠出をしたがっています。その帰りに、横浜ソフマップでIPADを予約するといっています。

あいつらがきた。寝起きチェンジ付き!

2009.04.03

ファイル 103-1.jpg

きのうは、朝の10時ぐらいまでいろいろやっていて、それからねたのだが、5時から生徒さんのレッスンを完全に忘れていた。どうもエープリルフールの1日以来、頭がお花畑だ。

顔洗ってマリーにかけつけ、ジャズ初心者の方のレッスン。

ところが、起きて何もたべてなかったので、終わって7時ごろに猛烈におなかが空いた。

夜はマリーの中屋川久保セッションで、お店の手伝いのバイトの予定だったので、どうせ吹かなければならないとおもって、あまり胃に入れたくなかったのだが、飢餓感にあらがえなくなり、駅のほうのオリジン弁当へ。

とんかつ弁当を買ってマリーに戻ると、ピアノの阿部っちがいるではないか。ありゃ? というと、今日俺ってwwwww

ということで、2日のマリーセッションは、ファーラウトのカルテットメンバー勢ぞろいである。

まずはオリジナルトリオでの演奏、いやー、阿部さんますます冴え渡ってうっとりきいていたのだが・・・・・満腹感からこんどは急に睡魔が。

セッションは、ドラム3人、ベース1人の参加者でぶっ通しで続いていたのだが、そろそろ阿部さんを休ませないとということで、ピアノレスでなんかやってと、起こされてしまった。

寝ぼけ眼で26-2といったのがいけない、はじめたはいいがリフがおもいだせんww、上田さん4万のベースなのに、うなりまくってたり、まあリズム陣がすごすぎで、次第に脳内がおき始めるものの、寝起きチェンジな演奏に。

いやーあいつらすごいリズムだなあ。フルート一本でよく相手してるわ私。

今年大学にはいったベースのりょうすけ君が、中学の同級生だったというドラムのO君をつれてきた。かれは立川とか中央線のほうでセッションホストをしているドラム。なかなか冴えている。

彼ら二人と阿部さんと私でAlone Togetherを。若さがすごい。わたしゃ出がらし。


おかげで家に帰ってそのまま横になってしまった。そのためにいまになって目が覚めてしまった。おなかすいた!

なお、こいつらとのライブは、テポドン次第なきもするが、来週火曜日表参道である。東京が残っていたらみんなでパーティー!

♪ 04/07 火曜 表参道Jazzbird (03-5474-2702 begin_of_the_skype_highlighting 03-5474-2702 end_of_the_skype_highlighting)
http://www2.ttcn.ne.jp/~jazzbird/
19:45~ Flute Madness Live
  Fl 大本薫 PF 阿部紀彦 BS 上田基 DR 中屋啓之 ゲストVo ライカンこのみ
  ミュージックチャージ \2000

エープリルフールセッションでした。

2009.04.02

ファイル 102-1.jpgファイル 102-2.jpgファイル 102-3.jpg

昨日のエープリルフールは、ピアノのコジコジさんと、ベースの所長さんにお願いして、ブランクデーセッション!

8時前にマリーにはいると、所長さんと小野さんがカウンターで哲学討議中!

さらに、準備をしていたら、ベースの上田さんが、息子さんと楽器を運び込んできた。

ありゃ??? なんでいるの???? というと、ありゃ? 中屋川久保セッションじゃなかったでしたっけ?と上田さん。それ明日、というと、あちゃーエープリルフール?って。

それでみんなで遊ぶことに。ドラムの上野さんも遊びに来て、なぜか私がセッションリーダーでしきる羽目にww

まずはオリジナルトリオでSolar.

ギターのお客さん交えてSoftly

フィナーレでBille's Bouns

木曜はマリーの中屋セッションです。

ページ移動